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石炭発電の終わりへ。国の責任を問う。

CO2と大気汚染物質を大量に排出する石炭火力発電の時代は終わりに向かっています。
そんな中進行している横須賀火力発電所計画。
問題のある計画を承認し、CO2規制も作っていない。
市民が、国の責任を問います。

横須賀石炭火力発電所訴訟 最高裁却下決定についての弁護団・原告団共同声明

最高裁判所は、横須賀市周辺の住民・漁民らが、パリ協定が締結された2015年以降に計画された石炭火力発電所の新設計画について、その建設及び操業の停止を求める意味を持つ経済産業大臣の行政処分の取り消しを求める訴訟について、2024年10月23日付の決定で、原告らの上告を棄却し、上告受理申立を却下しました。「適法な上告理由・上告受理申立理由に該当しない」という定型の決定文によるもので、事件の争点について何らの判断も示さない決定でした。この結果、横須賀市における、世界の5000分の1という大量の二酸化炭素を排出する石炭火力の操業が認められることとなりました。

今日、日本でも熱中病による死亡や救急搬送が増大し、豪雨災害も頻発し、世界規模で、気候変動がますます深刻化し、早急に、温室効果ガスの排出を削減し、二酸化炭素の排出が実質的にゼロとなることが強く求められている状況にあります。その中で、二酸化炭素の排出を減らすどころか、天然ガスと比べても2倍以上の二酸化炭素を出す、石炭火力発電所を建設し操業している国は、先進工業国では日本以外にありません。イギリスは2024年9月末までに全ての石炭火力発電所の操業をやめるなど、石炭火力発電所の廃止が強く求められている中での暴挙とも言える行為です。

しかも、この訴訟では、発電所の環境影響評価が極めて杜撰なものであったことが明確になりました。石炭火力発電所は膨大なCO2を排出しますが、環境アセスメントでは代替の発電方法についての検討がなさなかったうえ、「発電所の建設で環境が改善する」という、詭弁にも等しい理由で重要な調査が省略されました。ところが、裁判所はこうした明白な違法に対してさえ口をつぐみ、違法な実務を是認してしまいました。

破局を避けるために我々に残された時間は限られています。変わらなければならないのは、政治だけでなく司法も同じです。われわれは本決定に怯むことなく、今後もあらゆる手段を尽くして石炭火力発電所の一刻も早い廃止を目指して闘い続けます。

2024年10月26日

横須賀石炭火力訴訟弁護団
横須賀石炭火力訴訟原告団

 

最高裁判所決定調書(PDF

小島延夫弁護団長の5分でわかる横須賀石炭火力訴訟

2024年9月現在、この訴訟は東京地方裁判所の判決を受け、最高裁判所に上告しました。ここまでの裁判をわかりやすく振り返る動画を作成しました。

~その1:なぜ石炭火力が問題なの?~

~その2 横須賀の石炭訴訟ってどんな裁判?~

~その3 環境アセスメントの何が問題だったの? ①複数案検討~

~その4 環境アセスメントの何が問題だったの? ②簡略化の問題~

~その5 原告はどんな被害を訴えたの?~

~その6 地裁と高裁の判決は何が問題?~

~その7 最高裁での論点は?①~

~その8 最高裁での論点は? ②~

 

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